Q API規格とは?
A アメリカ石油協会(American Petroleum Institute)が定めた石油の規格の総称であり、日本国内では一般にはエンジン油の品質のグレードの目安となるもので、エンジン油とギヤー油のサービス分類が知られています。ガソリンエンジン油はSAからSN、ディーゼルエンジン油ではCAからCJ-4に、ギヤー油はGL-1からGL-6に分類されています。
Q エンジン油API規格とは
A ガソリンエンジン油API規格は、酸化安定性、サビ・腐食・磨耗防止性、洗浄性、蒸発性、せん断 安定性など多くの審査項目からSA〜SNまで12種類のグレードに分類されています(SIとSKは他の用語との関係等から除外)。SAからSGまでは、市場の品質要求に従って、段階的に品質を向上させてきましたが、1990年代以降の(SH以降)は、ILSACの影響を強く受け、GF-1からGF-4に至る各ILSAC規格から、主に省燃費性能とリン分濃度の規定を除いた内容となっています。現在の最新規格は2010年10月に制定されたSNおよびSN/RCとなっており、SN/RCは粘度グレード30までが対象となっています。
RCとはResource
Conservingの略語で、API SN規格に加え、省燃費性、触媒への適合性(リン分の揮発性を規定)、高温デポジット抑制、エマルション保持性が要求されており、API SN/RCは、ILSAC GF-5と同じ内容の規格とされています。ディーゼルエンジン油API規格は、CAからCJ-4までありますが、日本国内ではCAからCF-4までとなっています。これは日本国内ではCF-4から次のAPI規格であるCG-4に移行せず、JASO規格であるDH-1を導入した為です。その理由としては、国内と海外での排ガス規制の違いが大きくなったということと、エンジン設計の違いなど(一部日本製エンジンで不具合が発生)もありAPI規格では国内のディーゼルエンジンに対応するのが難しくなった為です。
Q ILSAC規格とは?
A 日米の自動車工業会が協力し設立した組織であるILSAC(International LubricantStandardization and Approval Committee)によって制定され、API規格に燃費試験を加えた規格で、粘度グレード30までが対象となっています。最新規格であるGF-5は、より高度な省燃費性能及びその持続性と、排気浄化装置への適合性、更にはエンジン保護性能、すなわち熱・酸化安定性や摩耗防止性の強化が狙いとされています。
Q JASOディーゼルエンジン油規格とは?
A 日米のエンジン設計の違いから、日本製のディーゼルエンジンに適合したエンジン油の品質(特に動弁系摩耗防止性能を強化した)規格である、JASOディーゼルエンジン油DH-1規格が2001年に制定されました。そして、2005年にDPF(Diesel Particulate Filter)及びNOx還元触媒等の後処理装置を装着したディーゼル車に対応したDH-2(トラック・バス用)、DL-1(乗用車クラス用)が制定され、DPFの目詰まりの原因である灰分と後処理装置被毒の原因である硫黄分、リン分が規定されました。
Q ディーゼル車、後処理装置とは?
A ディーゼル車の排出ガスに含まれる、PM(Particulate
Matter、粒子状物質)、NOx(窒素酸化物)、CO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)を低減する装置で、PMの低減にはDPF、NOxの低減にはNOx還元触媒である尿素SCR触媒、CO、HCの低減には酸化触媒が使用されています。DPFは排気管の途中に挿入されたフィルター(主に多孔質セラミック)であり、ディーゼル車から排出されるPMを捕集する装置で、酸化触媒を通った排気ガスの一部の成分を利用し、捕集したPMを燃焼させます。また、酸化触媒によりCO、HCを水(H2O)と二酸化炭素(CO2)に変えて排気します。尿素SCR触媒は、尿素を還元剤として添加し、発生するアンモニア(NH3)により窒素酸化物(NOx)を窒素(N)と水(H2O)に還元します。
Q VHVI基油とは?
A 水素化分解などにより、鉱油をさらに精製させた基油のことをVery High Viscosity Index基油(高粘度指数基油)と呼びます。APIが定めた基油の分類では、グループVがこれにあたり、粘度指数120以上であり、温度特性に優れた基油としてマルチグレードエンジン油に使用されています。
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